遍路みち
毎週日曜日の新聞の書評欄は必ず読みます。
書評自体を読むのが好きです。
読みたい本は憶えておいて(最近は忘れてしまいますが)
文庫になったときに買います。
ハードカバーは高いんですもの・・・
書評を読んで、本を読んだ気になることも・・・・
先日の書評から読みたくなって、アマゾンで中古で買いました。
ホント、ケチですよね。
その本 「遍路みち」津村節子著

遍路みち
津村節子氏はもちろん小説家です。
何冊か読んだことがあります。
この本は、津村氏自身のことを書いた5編の短編が載っています。
夫吉村昭氏の闘病と死について書かれている。
「ほとんど事実に近い」とあとがきにありました。
吉村昭氏も小説家です。
歴史小説を何冊か読んだことがあります。
さて、5編の中の「遍路みち」です。
育子は夫と過ごした家から離れたくて、遍路の旅にでます。
すい臓がんで亡くなった夫は、細々とした遺言を残して逝ってしまいました。
しかも、夫は霊魂を信じていないので、亡くなっても育子は霊に語りかけることもはばかられたり、
なかなかつらい悲嘆の時期を過ごすことになります。
そんな時の遍路の旅です。
旅から帰ってきて、初めて夫の夢を見ます。
夫の姿も見ます。
近づいてみると、
「それはコンクリートの灰色の電柱で、大きさは男の体躯ぐらい、ちょうど夫の顔の位置に、
緑色のプレートに黄色いペンキで通学路とかいたものが取り付けられている。・・・夫の顔に見えるのである。」
家族みんなにそうみえたということです。
ここで、わたしは涙がでてしまいました。
十分看護できなかった悔いが残っていること、部屋の中のどれをみても夫が思い出されること・・
一周忌で納骨したときに自分が焼いた茶碗に骨壷の上部にあったお骨を移した。
「その時、骨がくずれて机の上に散った。
育子は慌てて人差し指に唾液をつけ、骨に押しあてて無意識に口に入れた。・・(略)
口に入れた骨は、噛むとしゃり、しゃり、と音がした。育子はもう一片骨をつまみ上げ、しゃりしゃりと音をたてて噛んだ。」
「遍路みち」はここで終わっています。
あとがきには、
書くことで「いくらか気持の整理がついたような気がしている」と書きながら
「つらい仕事になった」
「漸く押し込めていた吉村のけはいが、濃密に漂い始めたのである」とも書いています。 ↓にほんブログ村に参加しています











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