未来創想コラム

携帯電話と思い出

投稿日:2016年1月5日

カテゴリ : 手元供養に関するコラム

10年くらい前の話でしょうか。 カロートペンダントの販売を初めてしばらくしたころの事です。

「写真を納めるペンダントありませんか?」

というお問合わせがありました。

私が子供のころロケットペンダントが流行ったことがありましたが、最近ではすっかり見なくなりました。
当時はまだまだ携帯電話が普及していなかったのですね。故人のお写真を入れるロケットペンダントを希望される方がいらしたので、ロケットペンダントを取り扱うことにしました。
あれから10数年、携帯電話の高性能化と普及によってロケットペンダントの需要もほとんどなくなりましたので、その取り扱いは終わりました。
今では、故人様との想い出と携帯電話は切り離すことができません。

亡夫の携帯電話を解約できないままでいる方がおられました。
ご主人の発病から亡くなるまでのメールでのやりとりが保存されているからです。

「ホッとした」「ありがとう」という優しい言葉が続きます。
亡くなって2年間くらいは亡くなったご主人にメールを送り、ご主人の携帯電話で自身が送信したメールを確認するということをしていたそうです。

「今日はお父さんのお誕生日だね。おめでとう」

今はやっと解約できて、残されたメールを時々見る程度だそうです。

「お父さんの携帯、解約するからね。ずっと一緒だからね♡♡♡」

スマートフォンのイメージ画像

癌と闘って、自分亡き後のことをしっかり決めて亡くなられたお母さんの声が留守番電話に録音されているから携帯電話を買い換えられません。というひとり娘さんがおられました。
何とかその声を残せないかとおっしゃっていましたが、お元気でいらっしゃるでしょうか。

携帯電話の待受画面に亡き人の写真を映し出している方にはたくさんお会いしました。
待受ではなくても写真を携帯電話に保存して、時々語りかけたり、新しく知り合いになった方にご紹介したり、亡き人を忘れない人たちがたくさんいます。

来店される方の中にもいろいろとお話していると「こんな人だったんですよ」と携帯で写真を見せてくださる方がいらっしゃいます。

「優しそうな方ですね」
「そうでもなかったんですよ。生きてるうちはね・・・」

スマートフォンの画面に写るお父さんの写真

ご遺骨をカロートペンダントに納めようとアッシュメーカーでお骨を細かくしようとして
「お父さん頑固だったからお骨も堅いんじゃないの?」とご一緒に来られた娘さんが言ったり、作業しながらも故人様の話が弾みます。

こうして故人様のことを話すことはとても素敵なことだと思います。
思い出している間はまるで生きている時のようですね。

「彼ならきっと、こんなふうに言うに違いない」
「お母さんならきっと喜んでくれる」

覚えている間、その方は亡くなっていないのだと思います。